日本の経済リテラシーは低いらしい
日本人の金融リテラシーは低いそうだ。
確かに、円安が叫ばれて日本もようやくインフレの波が少しずつ到来している今でも、人々は貯金を辞めない。
金融庁最後の良心であるNISAも存在は知ってるけど、みたいな人がほとんどだ。
住宅ローンで35年ローンを組み、日本経済の先行きを信じて疑わず、少子高齢化の禁じてワードも聞こえないふり。
そんな人が日本人の大部分を占めてるんだから、この先の日本社会がどうなるのか逆にわくわくするくらいだ。
でもそれも仕方ないとも思うのだ。
だって誰も経済の見方なんて教えてくれなかった。
小学校じゃ道徳の時間にさわやか三組をみてたし、算数で分数の割り算とかやってたし、年齢が上がっても現代社会じゃ経済の仕組みだとか、福利の計算とか教えてくれなかった。
親も貯金しろとしか言わなかったし、テレビだって一瞬日経平均株価がいくらですとかアナウンサーも興味なさそうに読むだけだった。日経平均株価指数の数字を聞いてた僕たちだって、住んでない地域の天気予報と同じくらい、それを聞き流してたんだ。
どうにかこうにか社会に出たらいよいよ時間がなくなる。
朝早く起きて会社に出勤。昼休みは同僚とランチに出て、夜にくたくたになりながら帰宅。
家じゃワイドショーみたり、SNSに時間を浪費したり。
土曜は無駄に寝てみたりして。
夜は飲み会、次の日は昨晩飲みすぎた煽りで起きれなかったり。
そんなこんなでまた月曜がきて。
こんな毎日で、どうやって経済を見通す力をつけろと?
今更高校生が、ETFも知らない家庭科の教師に投資を教わって、どうなる?
そんなんで、失われた30年がすっぱり止まって、明るい経済見通しが立つと?
そんなわけない。
そんなわけないとはみんな思ってるし、だからってどうもできない。
本当は、貯金に勤しんで、夢のマイホームに憧れて、ついでにマイカーもローンで買っちゃうみたいな、向こう見ずな生き方のほうが幸せなのかもしれない。
ゆっくりと、出口に向かって細くなっていく道を歩いてる感覚。
出口の先が明るいのか暗いのかわからないけど、たぶん暗い。
でも今更行き先を変えられないし、後には引けない。
わずかに方向転換が許されるなら、その違う道を望んでるみたいな、そんな毎日。
嘘だ。
本当は楽しい。
こんなどうにもならない日々で、異国の地は戦争が起こってるみたいな世界で、未来の世界がまったく予想できない今の世で生きるのが楽しいのだった。
これが脳の防衛本能的に思ってることなのか違うのかわからないけど、僕は本当に心のどこかで、楽しいと思ってるのだった。